例えば、特に何も起こっていなくても、いつもニコニコしている人もいますし、特に何も起こっていないのに、いつも不機嫌にしている人がいますよね。
それでは、何故、特に何も起こっていないのに感情が湧いてくるんでしょうか?
それは、人には、想像力があるからです。
人は、想像することにより、過去の幸せ体験や不幸体験を思い出すことができ、楽しい感情や嬉しい感情などのポジティブな感情や怒りの感情や悲しい感情などのネガティブな感情を生み出すことができます。
また、人は、想像力を使って、未来を自由に想像することができます。
それにより、幸せ体験や不幸体験を得ることができます。
なので、未来への想像でも、楽しい感情や嬉しい感情などのポジティブな感情や怒りの感情や悲しい感情などのネガティブな感情を生み出すことができます。
つまり、人それぞれ、今現在の現実の世界だけでなく、想像の世界があるということです。
そして、その想像の世界は現在、起こっている出来事に関わらず、自分で自由に想像でき、自分で自由に体験できるのです。
また、想像の世界は、過去の体験を思い出し、再度、味わう過去の世界と未来を想像して体験を味わう未来の世界があると言うことができると思います。
これは、言ってみれば、人はそれぞれ現在だけでなく、過去、現在、未来の3つ世界で体験を得ていると言うことができると思います。
そのイメージ図を図1に示します。
それでは、何故、特に何も起こっていないのに、いつもニコニコしている人といつも不機嫌にしている人がいるのでしょうか?
それは、人それぞれ、思考のパターン、思考の枠組みである認知を持っているからなのです。
特に何も起こっていないのに、いつもニコニコしている人は、楽しい感情や嬉しい感情などのポジティブな感情を味わえるので適応的と言うことができます。
なので、いつもニコニコしている人は、適応的認知を持っていると言えます。
また、特に何も起こっていないのに、いつも不機嫌にしている人は、何も問題は起きていないのに、怒りの感情や悲しい感情などのネガティブな感情を味わうので不適応的と言うことができます。
なので、いつも不機嫌にしている人は、不適応的認知を持っていると言えます。
それでは、いつもニコニコしている人といつも不機嫌にしている人の想像の世界のイメージ図を図2に示します。
いつもニコニコしている人は適応的認知により、過去の世界も幸せ体験を選んで想像し、ポジティブな感情を得て、未来の世界も自由に想像し、幸せ体験を得て、ポジティブな感情を生み出しています。
3つある世界のうち、想像だけで、2つの世界でポジティブな感情を得ています。
いつも不機嫌にしている人は不適応的認知により、過去の世界も自分で不幸体験を想像してしまい、ネガティブな感情を得て、未来の世界も自分で不幸体験を想像してしまって、ネガティブな感情を生み出しています。
3つある世界のうち、想像してしまうことにより、2つの世界でネガティブな感情を得てしまいます。
ただ、不適応的認知(思考)を適応的認知(思考)に変えるには、認知(思考)が過去の経験や長時間かけられて作られた価値観や欲求、考え方、思い込みなどによって作られたものなので、時間がかかったり、この問題にずっと注目していては、精神的にも身体的にも疲弊してしまいます。
なので、精神的に身体的に限界を超えてしまわないように『安全基地』を用意する必要があります。
そのために、カウンセリングを進めていくためには、『マインドフルネス認知療法』が必要であり、『想像の世界(思考の世界)』から離れ、『今、この瞬間の感覚の世界』である『あることモード』にすることができる準備をする必要があります。
その一つが『既にあること(ポジティブなこと)』を十分、探して把握しておくことであり、それが『サポート資源』になるため、一つでも多く増やしていく必要があります。
人の心の中には、『現在の現実の世界』、『過去の想像の世界』、『未来の想像の世界』の3つの世界があります。
この3つの世界は切り捨てることは不可能なため、適応的に切り替えられる状態にしなければなりません。
何よりも先にこの3つの世界を上手に行き来できる状態にしていくことができるようにある必要があると考えます。
ただ、『意識』だけで、適応的なモード切替をおこそうとしても正直、無理があります。
それは、基本的に、モード切替は、『無意識』がおこなうものだからです。
『無意識』を改善していくのは、ご自身だけでは、正直、非常に難しいです。
そのために、カウンセリングや心理療法があります。
是非、札幌『カウンセリング こころの相談所』にある程度、身を委ねていただければと思います。