今回の【心理カウンセリングと心理学】のブログは、賞罰がもたらす問題点というテーマで札幌『カウンセリング こころの相談所』がお話いたします。
『動機づけ』するために、『外発的動機づけ』の『賞』や『罰』を使用するということは、昔からの習慣で、現代でも、会社や教育現場などでおこなわれがちだと思われます。
しかし、『外発的動機づけ』の『賞』、『罰』の問題点をしっかりと把握しておく必要があると思います。
以下に、『外発的動機づけ』の『賞』、『罰』の問題点を示します。
賞罰の問題点
- 賞罰を与える人と与えない人を区別して顔色をうかがうようになり、態度を変えるようになる
- 賞罰を与える人の感情に左右され、一貫性がなくなる可能性がある
- 賞罰を受けている人が、賞罰を与える人の評価ばかりを気にし、仲間との間で競争が起こる
- 賞罰は、同程度のものが続くと、効果が弱まり、どんどん過激にしていかないと効果がなくなっていく
- 賞罰は、それを得ようとしたり、それを免れようとして、受けては手段を選ばず、不適切な行動を起こしやすい。また、それを監督する側の仕事量が増える
賞の問題点
- 賞を与える人と与えない人によって、受け手は態度を変えるようになる
- 賞がなくなると行動しなくなる傾向がある
- 賞はエスカレートさせていかないと効果が弱まるため、歯止めが利かなくなる
- 賞を得たいがために不適切な行動を招く可能性がある
- 賞は過剰な競争を招きやすく、集団の協調性がなくなっていく
罰の問題点
- 罰する人が常にいなければ、不適切な行動をする
- 罰だけでは、適切な行動が何なのか分からない
- 罰も賞と同じく、エスカレートさせていかないと効果が弱まるため、歯止めが利かなくなる
- 罰は、相手の勇気をくじき、消極的、依存的にしていく
- 罰を与えると、当人を憎むようになり、関係が悪くなる