今現在、【心理カウンセリングと心理学】のブログでは、『アドラー心理学』をテーマにご説明しています。
そして、『アドラー心理学』の重要な手法の一つ『勇気づけ』についてもお話しています。
『勇気づけ』は『動機づけ』の中の『内発的動機づけ』に当たり、『外発的動機づけ』の『賞』である『ごほうび(「ほめること」も含む)』はデメリットが多く、相手のためにもならず、『共同関係』も築けないことをお話してきました。
今回は、『外発的動機づけ』のもう一つの種類『罰』について札幌『カウンセリング こころの相談所』がお話をしようと思います。
この『罰』も『勇気づけ』に比べて、デメリットがあり、5つのデメリットがあります。
それでは、その『外発動機づけ』の『罰』の5つのデメリットについて説明していきたいと思います。
『外発的動機づけ』の『罰』がもたらす5つのデメリット
①罰する人がいなければ、問題行動を取る
- いつも罰を受けていると、人の顔色を窺いながら行動するようになる
- 罰する人と罰しない人を区別するようになる
⇒罰する人がいる時は、その人が望む行動をとり、罰する人がいなければ、何をしてもかまわないと思うようになる
②「かまってもらえた」と思い、問題行動を続ける
- 『罰』は『負の注目』を与えていることになる(NO.114参照)
- 相手(子ども)は、「無視よりかまってもらえた方がマシだ」と感じる
⇒人の関心を引くために、問題行動を続けてしまう
③『罰』を与えるだけでは、何をするのが良い行動なのか学べない
- 『罰』を与えると、問題行動自体はしなくなるかもしれないが、それだけでは何をすることが良いことなのかを学ぶことができない
⇒『罰』は『支配関係』を築く行動であり、『意欲』を失い、何の行動(良い行動)もしなくなる
④『罰』は『勇気くじき』、相手を『消極的』、『依存的』にする
- 失敗したことに『罰』を与えられてしまうと、相手は「失敗したら、また罰せられるから、はじめからやらない方がいい」と考え、行動は『消極的』になり、どうするかも自分自身で考えずに、罰する相手に『依存的』になってしまう
- 『創造的で活発な行動』をしなくなってしまう
- 自分の行動に『自信』がなくなり、『行動力』がなくなり、『判断力』が養われなくなってしまう
⑤『罰』を与えると、相手を憎むようになり、『尊敬関係』、『信頼関係』が悪くなる
- 相手は、自分の考えを、『力』、『支配関係』で押し付けようとしていると思い、憎むようになる
(例え、相手が下の立場であっても、『尊敬』の念を持ち、意思表示することが大事!! そうでなければ、『相互的な信頼関係』は築けない!!)
- 愛で罰を与えていると考えていても、『罰』は『支配』!!
それが分からない人は、自分の愛が伝わらないと考えてしまう!!
以上の2つが重なると相乗効果で、
- みるみる『信頼関係』は悪化!!
- 相手は、罰を与えた人に『復讐』することを考えるようになる!!