今回の【心理カウンセリングと心理学】のブログは、集団での対人関係『競争と共同』『支配と服従』というテーマでお話します。
『対人関係』とは、人間関係のうち、特に個人と個人の心理的な相互作用がある関係を指します。
それでは、今回、札幌『カウンセリング こころの相談所』は、『職場集団』において、私達はどのような『対人関係』を経験するのかについてお話していきます。
佐々木氏は、『対人関係』の『心理的側面』として、『競争と協同』、『支配と服従』、『同調と逸脱』、『達成と親和』の4対を示しています。
この4対について説明をしていきたいと思います。
今回は、『競争と共同』と『支配と服従』についてお話をしたいと思います。
対人関係において、各自が、他者よりも自己の立場を有利にしようとするため、メンバー同士が妨害し合う関係になることを『競争』と言います。
逆に、お互いの立場を認め合い、他者の満足が自己の満足につながる関係を『協同』と言います。
職場集団においては、『協同』の方が、、『競争』より、集団としてまとまり、作業効率も向上すると言われています。
対人関係には、社会的勢力や権威をもって他者をコントロールして、自分の意思に従わせようとする『支配』と、『支配』することにより、他者のコントロール下に入り、その意思を受け入れる『服従』があります。
フレンチとレーブンは、『服従』する側から見た場合に、どのような『勢力』が人を『服従』させるか(『支配』するか)について5つに分類しました。
自分に与えられる報酬の程度を左右する力を相手が持っていると認知している時に生じる相手の勢力。
例えば、人事考課やボーナス査定をおこなえる上長は『報酬勢力』の代表と言えます。
相手からの影響に自分が従わない場合、相手から罰を受けるだろうと予期することによって生じる相手の勢力。
例えば、職務命令に従わなければ、減給や望まない部署へ配置転換されると予期される場合などです。
相手が自分に影響を及ぼすべき『正当な権利』を持ち、自分はその影響を受け入れるべき『義務』を負っている、自分が『判断』することによって生じる相手の勢力。
例えば、上司は部下に指示・命令をする権限があり、部下はそれに従う義務があると考えることは、『正当勢力』と言えます。
『相手』を『同一視』し、「一体になりたい」と自分が思うことによって生じる相手の勢力。
「自分がその集団に所属していたい」と思い、そこのルールに従おうとする心理で、「自分がその集団に所属しないと総合的にデメリットが多い」と思う心理です。
相手がある特定の知識や技術について専門的な能力を持っていると自分が認知することによって生じる相手の勢力。
特に、自分がその分野の知識・技術に疎い場合は、その相手に従いやすくなります。