今回の【心理カウンセリングと心理学】のブログは、理由が分からず欲求不満を感じている時は、適応機制をおこなっていないか見てみましょうというテーマでお話します。
何故か、分からないけど欲求不満を感じている、どうしてそうするのか分からないけどやめたいことがやめられない、そういうことがあると思います。
有名な精神科医ジークムント・フロイトは欲求不満やストレスを和らげるために本能的におこなわれる『適応機制』というものを発見しました。
それを以下に示します。
自分にとって、合理的な説明をすることで、正当化し、嫌な感情に向き合わないようにし、自分を傷つけないように対処すること。
例えば、イソップ童話のすっぱいブドウのように、本当は欲しいものがあっても、それが手に入らなかった場合、「そもそもいらなかった」と自分に対し、合理的な説明を言って(セルフトーク)、説得する。
ある面での自己の不満(劣等感)を他の面で努力してカバーすること。
例えば、学業で劣等感を抱えている場合などは、スポーツで努力することで成功し、劣等感を補おうとすること。
代償との違いは、自分自身に劣等感があること。
『代理満足』、『置き換え』とも呼ばれる。
ある目標を達成しようという欲求が叶えられない時、その欲求が向けられている対象と類似した別の対象に置き換えることで欲求不満の解消をすること。
例えば、犬を飼いたいという状況で、それが叶わない場合、ぬいぐるみを収集することで対処する。
補償との違いは、自分自身に劣等感がないこと。
不安や欲求不満、ストレスなどを回避するために、関連ある問題や感情を切り離し、自分とは関係ないものと扱うこと。
例えば、生きている意味を感じられない場合などに、人間はいつか死ぬのだから、生きる意味なんてないと思うことなど。
自分で欲求が満たせないため、自分の欲求を実現できそうな他人を自分だと思いこむことで、現実の欲求不満を解消しようとする。
例えば、憧れている人のまねをする、憧れているスポーツ選手を応援するなど。
実現が難しいと思われる欲求に対し、その実現に向かって繰り返し、同じ行動をとり続ける。
自分の存在と価値を認めさせるために、わざと他人と異なった行動をとる。
受け入れ難い現実に直面しないよう、本来とは逆の態度を過度に強調する。
例えば、好きな子に「好き」と言えず、いじめてしまう。
自分の中の認めたくないネガティブな感情を他者が持っていると考え、自分を説得すること。
例えば、苦手な他者がいた場合、「相手が自分のことを嫌っている」と理解する。
人を攻撃するなどの社会的に認められないような欲求や願望を、別の活動に打ち込むことで、解消しようとする。
例えば、ボランティア活動に打ち込むなど。
罪悪感に対処するため、自己破壊的な行為をしたり、生きている意味や実感を感じられない場合などにリストカットなどの自傷行為をする。
特に嫌悪的な過去の経験を無意識下に抑え込む。
代表的な適応機制。
以前の未熟な発達段階へ逆戻りし、幼少期に満たされるべきであった中核感情欲求を満たそうとすること。
例えば、弟妹が産まれ、自分に向いていた親の関心が弟妹に向いた時、親からの愛情を一心に受けていた発達段階へ退行し、指しゃぶりなどを再現する。
不安や緊張、欲求不満など、耐えられない場面から逃げ出すことにより、自我が傷つけられるのを回避し、心の安定を図ろうとする。
一般化や決めつけなども、それをおこない、他人を信じ、期待することが怖く、希望を持つことをあきらめ、傷つく可能性のある場面を回避しようとしているため、逃避に当たる。
ストレスを感じるような状況を避けるため、現実や周囲からの指示や要求を拒絶する。
自分の欲求が満たされない場合や自分の欲求を満足させるため、邪魔だと思う人や嫌いな人や状況に対して、攻撃や反抗をすることによって、一時的に欲求不満を解消しようとすること。
直接、攻撃ができない場合は、全く関係のない人や物に対して攻撃をする、やつあたりもおこなわれることもある。
物を壊したり、弱いものいじめも、これに当たる。
以上を参考に、自分はどんな欲求不満を持っているのか、自分は何にストレスを感じているのか、原因を究明するために1つの方法として使っていただければと札幌『カウンセリング こころの相談所』は思っております。