ここまでの【心理カウンセリングと心理学】のブログで、人間関係および対人関係が、職場集団と相互に影響し合うことをお話してきました。
その中には、職場集団として思わぬデメリットが生じる場合があります。
今回は、そのケースについて、札幌『カウンセリング こころの相談所』がお話していきたいと思います。
以下に、その例を示します。
会議は、集団や組織における正式な意思決定の場です。
組織においては、職場の上司・同僚でおこなわれる皆具から、経営陣による経営会議まで、様々な会議がおこなわれています。
民主主義においては、会議での意思決定はメンバー全員の意見を考慮することを前提にしていますから、会議で得られた意思決定は個人による意思決定よりも優れたものになると考えられます。
しかし、実際の集団による意思決定は必ずしもそうとは限りません。
その例として、『集団分極化』、『集団浅慮(集団思考)』があります。
『集団分極化』とは、集団による決定が個人による決定よりもリスク(危険性)のある大胆な方向(『リスキーシフト』)に、あるいは、より慎重な方向(『コーシャスシフト』)に決定される現象です。
会議などで各メンバーが他のメンバーの意見を知ることによって、集団としてより望ましい方へ意見を変更したり、多数派に同調したりすることがあります。
そのことが、集団としてはより極端な決定に偏重させてしまうのです。
ジャニス氏は、ケネディ大統領の国家安全保障会議など、アメリカの政策上の失敗事例を分析し、集団による買っていがむしろ愚かで浅はかな決定を下すことがあることを指摘しています。
このことを『集団浅慮(集団思考)』と言います。
例えば、
などによって『集団浅慮(集団思考)』が進みます。
ジャニス氏は、以下の状況の場合に『集団浅慮(集団思考)』に陥りやすいとしています。
以上より、『集団浅慮(集団思考)』に陥らない対策として以下のことをおこなうことが必要だと考えられます。
よりよい意思決定をするためには、少数意見や反対意見を許容し、代替案や目標を充分に精査し、採用しようとしている選択肢の危険性や一旦否定された代替案の再検討をおこなう、ということなどに留意すると良いとされています。
そのためには、その意見を精査する機会を絶えず意識的に設ける必要があります。
多数意見に集団が流されないようにするために
などが考えられます。